ちょっとここらでテイータイム

このコーナーは私たちメンバーが自分の考えを勝手に書き込むページです。
よろしかったらお読みください。


尹 東柱 (YOON DONG−JU)ユン・ドンジュ  さんの事
みなさん  この人の名前を聞いたことはありませんか? 韓国では有名な青年詩人だった人です。 戦争中に同志社大学に留学中、母国語で詩を書いたという理由で特高警察に逮捕され、小倉拘置所で獄死した青年です。韓国人ならだれでも1〜2の詩篇を口ずさむことができるようです。 同志社大学のチャペル前に彼を偲んで『空と風と星と詩』の碑文がひっそりとたてられています。青年らしい感性をかんじます。
僕は好きだなあ、この人。
メンバー: 井上


空と風と星と詩

最も名高い詩篇です。碑文はこの詩です


               序 詩


    死ぬ日まで空を仰ぎ
    一点の恥辱(はじ)なきことを、
    葉あいにそよぐ風にも
    わたしは心痛んだ。
    星をうたう心で
    生きとし生けるものをいとおしまねば
    そしてわたしに与えられた道を
    歩みゆかねば。

    今宵も星が風に吹き晒される。

                                   伊吹郷 訳



尹東柱が日本で作った5篇の詩の1つ
東京の立教大学時代に作ったものです。


         たやすく書かれた詩

  窓辺に夜の雨がささやき
  六畳部屋は他人
(よそ)の国、

  詩人とは悲しい天命と知りつつも
  一行の詩を書きとめてみるか、

  汗の匂いと愛の香りふくよかに漂う
  送られてきた学費封筒を受けとり

  大学ノートを小脇に
  老教授の講義を聴きに行く。

  かえりみれば 幼友達を
  ひとり、ふたり、とみな失い
  わたしはなにを願い
  ただひとり思いしずむのか?

  人生は生きがたいものなのに
  詩がこう たやすく書けるのは
  恥ずかしいことだ。

  六畳部屋は他人
(よそ)の国
  窓辺に夜の雨がささやいているが、

  灯火をつけて 暗闇をすこし追いやり、
  時代のように 訪れる朝を待つ最後のわたし、

  わたしはわたしに小さな手をさしのべ
  涙と慰めで握る最初の握手。


                                   伊吹郷 訳



詩碑をデッサンした実弟・尹一柱さんを詠んだ短編詩


        弟の印象画

   あかい顔に冷たい月光がにじみ
   弟の顔は悲しい絵だ。

   歩みをとめて
   そっと小さな手を握り
   「大きくなったらなんになる」
   「人になるの」
   弟の哀しい、まことに哀しい答えだ。

   握った手を静かに放し
   弟の顔をまた覗いて見る。

   冷たい月光があかい額に射して
   弟の顔は哀しい絵だ。


                                   伊吹郷 訳

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